【応募者インタビュー動画:堀田卓哉さん&河賢男さん】連携して臨んだ実証実験
日本橋問屋街の通りに面した5階建てのビルが今春、器をテーマにした「コミュニティビル」に生まれ変わります。事業を展開するのは、さんかくプログラムの最終プレゼンで同ビルの優先交渉権者に選ばれた堀田卓哉さんと、1階部分に入居する河賢男さん。プログラムをふりかえって感じること、エリアの魅力、そしてこれから地域に入り事業を起こそうとしている人に向けたメッセージなどをうかがったインタビュー動画を公開しました。ここでは収録の裏話やトークで触れたプログラムのイベントの様子を紹介します。
堀田卓哉さん
日本全国の工芸産地の商品開発や販路開拓の事業を手掛ける株式会社Culture Generation Japan代表。器のサブスクリプションサービスなどを通して、工芸関連の事業を全国各地の窯元と提携して展開しています。プログラムではビル一棟を活用し、器を軸とした飲食店、物販店、ワークスペース、イベントスペースの構成で全国の器や伝統工芸の産地の方、日本橋問屋街の方、グローバルの方が訪れる拠点づくりを提案しました。
河賢男さん
開発を手掛ける大手不動産会社に勤めながら、さんかくプログラムに応募しました。提案事業は、パティシエとパートナーを組んで昼と夜で業態を分けるスイーツ&バルを運営するというもの。季節ごとの料理教室を企画するなどコミュニティづくりの拠点となるサードプレイスを目指し、堀田さんと協働しながら開業を目指しています。
インタビューで一番盛り上がったのは、実証実験の機会として「いっぴんいち@日本橋問屋街」に臨んだエピソードです。
さんかくプログラムは実施1回目とあって前例がなく、応募者はもちろん運営側も、サポートしてくださった問屋街やメンターの方も、手探りの状態。そんななかプログラム応募者のみなさんは事業計画の実証実験に向けて試行錯誤しながら準備を進めました。
「やったもんがち!」と笑いながらそのときを振り返る堀田さんと河さん。「実証実験で成果を残そう」と物件見学ツアーや懇親会で知り合ったほかの応募者と連携して企画を練ってチラシをつくり、手分けをして地域に配布してまわったそうです(素晴らしい行動力!)。
「いっぴんいち」は出店者が“逸品”を“一品”持ち寄るマルシェスタイルの人気イベント。各地で実施されてきたこの屋外イベントを日本橋問屋街でも行おうと、企画・主催の合同会社パッチワークス(+PLUSLOBBY日本橋問屋街を運営する唐品氏が所属する)とさんかくプログラムが共同で開催しました。
応募者同士の連携は集客ツールづくりに終わらず、当日の運営でも展開されました。河さんを始め、飲食事業として出店した応募者らに堀田さんが器の貸し出しを行い、イートインスペースを利用する来場者に「食」を五感で楽しんでもらえるよう考えたそう。
こうした努力が実を結び、堀田さんはプログラムの最終選考で器を軸としたコミュニティビル事業を提案して優先交渉権を獲得し、その後UR都市機構と賃貸借契約と締結。1フロアの利用でケーキ&バルを提案した河さんが堀田さんと賃貸借契約を結び1階部分を使用する予定です。
いよいよ今年2月、ビルのリノベーション工事に着工し、さんかくプログラムをきっかけに、靴工房として地域に親しまれていたビルが、問屋街に初めて出会うきっかけをつくるコミュニティビルに生まれ変わります。さんかくプログラムはこれからも広く参画者を募っていきます。どうぞ続報にご期待ください!
(インタビューのあと…)
インタビューのあと、現場を見させていただくために一同URビルへ向かいました。祝日で問屋さんがお休みの日本橋横山町は静けさに包まれ、たまにベビーカーを押す家族連れや地域住人、配送業者が通る程度。堀田さんと河さんは少し角が丸みを帯びた窓が印象的なURビルを見上げ、何やら語り合っている様子です。リノベーション後の様子をお伝えするのが今から待ち遠しいです。